表示、素材

ドライで溶けたり変質してしまうもの

ドライクリーニングに使用している液体は、溶剤と言われる油脂分を溶かす作用のあるものです。適切な素材を使用していない衣料品では、溶けたり変質してしまうものがあります。

天然ゴムは伸びてしまう

ギャザーの部分などに天然ゴムが縫い込まれている場合、ゴムが溶剤を吸い込んでダラリと伸びてしまいます。

顔料プリントは色が薄くなる

顔料染料というものでプリントされている場合、染料を止めている樹脂が溶剤で溶けて、色が薄くなってしまいます。

ビニールレザーはバリバリと割れる

塩化ビニルという樹脂で作られた合成皮革製品は、柔軟にさせていた加工剤が、溶剤に溶けだして本来の硬さに戻り、バリバリと割れてしまいます。

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カーテンの素材を考えよう

カーテンを選ぶときは、どうしても色柄だけで選びがちですが、暮らしの環境づくりという意味では、素材も重要な要素です。

レーヨン、綿のカーテンは弱りが早い

紫外線の強い時期に、直射日光を受けるレーヨン、綿素材のカーテンは、、太陽光に半年くらいさらされているだけで、新品よりも弱くなってしまいます。

合成繊維素材は汚れやすい

ポリエステルなどの合成繊維素材は、比較的強いのですが、静電気を発生しやすく、汚れを引き付けやすいので、定期的なクリーニングをお勧めします。

組み合わせ素材の場合に注意

強いポリエステル素材の生地に、弱いレーヨン素材の刺繍があるような組み合わせ素材の場合、長期間の使用によって傷んでいるものは、クリーニングなどで、レーヨン部分だけが落ちてしまうことになります。

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なんでも「ドライ」表示は困ります

PL法(製造物責任法)が施行され、消費者保護の気運が高まっていますが、本末転倒の自己防衛のためと思われそうな表示もあります。

ドライクリーニングが高級とは限らない

汚れを落とすには、繊維と汚れに適した方法でなければなりません。それによって、水で洗うか、水を使わず溶剤で洗う(ドライクリーニング)かを決めます。衣料メーカーの絵表示には、何でも「ドライ」の表示をつけておけば無難というふう考えているのではないかと思えるものもあります。

デザインによって水洗いできないものもある

ドライでは落ちにくい汗をよく吸う綿や、ドライで逆汚染しやすいポリエステルなどは、水で洗った方がすっきりとした仕上がりになります。しかし、水によって変形したり、色が落ちたりするといったデザイン上の問題がある場合は、やむをえずドライしなければなりません。

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ウレタンフォームはドライできません

色々なものに使われているウレタンフォーム

ウレタンフォームは弾力性に富み、軽く、取り扱いが簡単なことから、座布団やソファーのパッド、スキーウェアなどの断熱材など、広く使われていますが、この素材は、ドライクリーニングには不向きです。熱に弱く、ドライ溶剤によって、ふやける性質を持っているので、変質しやすいからです。このことから、ドライクリーニングを要する生地と組み合わせることはできません。

パッドに注意

水着やカクテルドレスなどの胸の部分にウレタンフォームのパッドが使用されている場合があります。外からは判別しにくいのですが、そのままドライクリーニングを繰り返すと、素材が変質して、表地が変色してしまうことがあります。

肩パッドなど外せるものは外して

肩パッドなどのウレタンフォーム製品は、なるべく外してクリーニングに出していただく方が、良いと思われます。

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ポリエステルの常識が変わりました

ポリエステルは取リ扱いにくくなリました

「ポリエステル」というと「丈夫で、ジャブジャブ洗えて汚れ落ちが良い」というのが、従来の常識でした。しかし、ハイテク技術によって、よりシルクに近いデリケートな繊維になりました。

現代のポリエステルは複雑な形の極細繊維です

数年前に登場した時には「新合繊」と呼ばれましたが、現代のポリエステル製品のほとんどは、複雑な形をした極細繊維のこの夕イプになりました。

へアカラースプレーの色などの汚れが落ちにくい

ヘア力ラーに使われている染料は、ポリエステルを着色しない性質のものですが、現在のポリエステル繊維は細すぎて、染料が生地の奥ま入り込んでしまい取れにくくなりました。また、繊維が細すぎるためアイ口ンなどの熱の影響を受けやすくなっています。

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海外製品の絵表示の見方をお教えします

海外旅行ではファッション製品の買い物が楽しいものですが、衣料に付いている絵表示の意味はご存知でしたか?一般的な国際絵表示(ISO)をご紹介しましょう。

水洗いはタライに波線のマーク

国内の水洗いを示す絵表示は、洗濯機を表す四角のマークで、手洗いだけがタライをデザインしたものですが、国際絵表示では、手を入れているもの(手洗い)以外のタライの絵表示は、すべて洗濯機洗いを前提としています。中心の数字は、限度となる水温(℃)を表しています。

アイロン温度は点で表示しています

アイロンの絵柄の中の黒い点は、アイロンの温度を表しています。点一つは110℃以下、点二つは150℃以下、点三つは200℃以下でアイロンがけしてくださいという意味です。

日本には無い乾燥機の絵表示

正方形の中に円があるのは、乾燥機に関する絵表示です。円の中の点は乾燥温度を表し、点一つは低温、点二つは一般的な処理で良いという意味です。

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純白の繊維素材はありません

蛍光増白剤という白い染料

ウ―ルやシルクなどの夕ンパク質系の繊維は、本来黄色みを帯びています。また、ポリエステルなどの合成繊維であっても、染色される前は半透明で黄色みを帯びて見えます。綿や麻などの植物繊維も「生成り」という言葉の通りです。これらの素材を鮮やかな、輝くばかりの白にするためには、白く見えるように染めなければなりません。この際最も多く使用されるものが蛍光染料です。

純白は自然に黄色みを帯びた状態に戻ります

蛍光染料は、困つたことに直射日光に弱く黄ばんでしまうという性質を持つています。日光を反射する白は、夏の日差しの強い季節によく用いられますから、どうしても避けられない運命です。ただし、水洗いの場合は洗濯行程で蛍光染料を加えることができますが、ドライクリーニングではほとんど不可能で、この純白の寿命は短いものと心得ておいてください。

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伸び縮みするストレッチ衣料は変形しやすい

最近大流行の伸び縮みする生地でつくられたストレッチ衣料は、ポリウレタンゴムという樹脂糸を編み込んだり、織り込んだりしてつくられています。

ゴム糸が飛び出してしまうものがあります

編み物でもカットソーといって、縫製してあるものが多くあります。このような場合、ゴム糸が縫い針によって傷つけられ、着用中の運動や、クリーニングによってゴム糸が切れて縫製部分にそって飛び出してしまうことがあります。

膝が抜けたり、表面に凹凸ができることも

一定期間着用していると、ポリウレタンゴムが弱くなって、膝や肘などの負担のかかる部分が伸びきってしまいます。また、ゴム糸の引っ張り強度に差ができると生地の表面に凸凹が発生することになります。

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表示ラベルに製造責任者の連絡先を表示

昨年の10月1日以降に製造された繊維製品には、品質表示責任者の連絡先を表示しなければならなくなりました。

ファッションメーカーには品質に関する責任

従来の法律では、製造責任者の明示に代えて、消費者には理解できない記号や番号の表示でもよいことになっていました。しかし、染色や素材の不良など、製造者の責任を明確にするために、縫いつけラベルに責任社名、住所または電話番号を表示しなければならなくなりました。

トラブルの原因の4割はメーカー責任

ある都内の有名デパートの調査では、衣料品のトラブルの41%は、製造者に責任があると発表されています。これからは、メーカーに直接問い合わせることができるようになりました。

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羽毛衣料などの中綿の接着樹脂が溶けてしまう

羽毛などの中綿を入れてあるブルゾンや防寒コート類の場合で、デザイン上、表地と中綿を接着樹脂で一体化してあるものがあります。

ドライで溶けてしまう不適切な接着剤

多くの製品は、ドライクリーニングで洗うことを配慮して溶けない樹脂接着剤を使用していますが、まれにドライの表示なのに、溶剤で溶けてしまう不適切な接着剤を使用しているものがあります。

表面にシミのように浮き出る

接着樹脂が溶け出すと、斑点のように生地表面にシミが発生して、デザインが台無しになってしまいます。また、中綿に染み込むと中綿を接着して、ペッタンコになったり、硬くなったりします。

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擦れた繊維屑は洗うと落ちてしまう

衣類の生地は、着用中に常に摩擦され、消耗しています。擦り切れた繊維がクリーニングによって毛羽立ったり、汚れといっしょに落ちてしまうことがあります。

体の関節部分と裾、襟、袖が特に擦れます

衣類を着用して活動すると、必ず擦れる部分があり、繊維が消耗していきます。特にヒジやワキ・ヒザなどの関節部分、そして、衣類の端に当たる襟周り、袖口・裾・パンツの場合内股、フクラハギも意外に擦れやすい部分です。また、ネクタイのノットや上着と接触する部分。

消耗した繊維は毛羽立ちや穴明きの原因になります

繊維が擦れると毛羽立って、光を乱反射するようになり、濃色の衣類では白化の原因になります(綿、麻、テンセル、絹製品に注意)。また擦りきれた繊維屑は、クリーニングによってゴミや汚れといっしょに落ちてしまい、穴明きの原因になってしまうことがあります。

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ウールなどの毛製品は霧吹きでシワが伸びます

ウールなどの毛製品や麻製品は、霧吹きで湿気を含ませるだけで、着ジワやタタミジワが伸びます。

毛製品には自然な弾性による回復力があります

ウールの繊維には、毛髄と呼ばれる芯があって、水分を含むと伸びる性質があります。数時間後に出かけなくてはならないのに、出してみたらタタミジワが付いてしまっていて困った。そんな時でも通気性の良いところでハンガーに吊るしたまま霧を吹いておくと、出かける頃にはすっかりシワが伸びています。

着用したものにアイロンは禁物

一度でも着用した衣類には、目には見えなくても色々な種類の汚れがついていますので、再度着るときにアイロンをかけると、熱と圧力で汚れが染み付いてしまいます。外から帰ったら軽くブラッシングして、霧吹きで湿気を与え風乾してからしまいましょう。

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絹の繊維は摩擦すると白っぽく毛羽立ちます

絹糸はとても細い繊維が集まってできているもので、擦れるとそれがバラバラになってしまい白っぽく毛羽立ちます。

絹製品は「おしとやか」に着るものです

絹の糸は、蚕という昆虫の幼虫が吐き出した糸(生糸)を洗って繊維を包んでいた糊状の成分を落とし(精錬)、2本の裸の糸を取り出して紡いで作ったものです。古来から繊維の宝石として珍重されてきました。現在では低価格の外国産のものも多く、誰でも気楽に購入できるようになりましたが、そのデリケートさに変わりはありません。

洗い出された裸の繊維だからデリケート

絹の繊維は、無数の微細な繊維の集合体でできています。特に湿気を吸った状態で摩擦しますと、この微細な繊維が分裂して毛羽立ちます(分繊化)。絹製品を着ているときは、ヒジや裾などへの配慮、バッグ類やシートベルトなど摩擦の原因になるものへの注意が必要です。

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カシミヤはヒマラヤ山系原産の山羊のわた毛

カシミヤといえば、10年くらい以前まではコートで1着数十万円もする高級素材でした。今では、流通ルートの簡素化によって比較的身近な製品になりました。

柔らかなわた毛だけをすき取る

カシミヤ山羊は体全体が硬い毛で覆われていますが、冬の間はその下に柔らかなわた毛(柔毛)が生えて体を温めます。春になるとこのわた毛が抜けるので、胸の部分の特に細く柔らかい毛だけをクシですいて集めます。

細く柔らかいのでスレに注意しましょう

体を守る硬い毛と違い、保温のための毛ですから、とても柔らかい性質を持っています。羊毛などに比べてスリ切れやすいので、袖口やヒジなどを時々確認しましょう。また、ショルダーバッグや車のシートベルトなどで傷つくことがあります。また、水分を吸収して縮みやすいので雨や雪は避けるように注意しましょう。

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竹やトウモロコシ、テンセルも植物系再生繊維

紙と同じ原料の木材パルプからつくられるレーヨンやテンセル、今年から出てきたバンブー、トウモロコシも植物系再生繊維です。

汗などの水分を吸って変形しやすい

植物系再生繊維は、綿のように肌触りがよく、水分を良く吸い取るという性質があります。しかし、独特の風合いや光沢を求めて、自然の繊維をいったん化学薬品で溶かしてつくられる再生繊維は、水分によって変形しやすいという性質があります。特に新素材のバンブー(竹)繊維は、レーヨン以上に縮みやすいものです。

毛羽立って白っぽくなりやすい

テンセル繊維は、摩擦に弱く、1本の繊維が枝毛状態になりやすいという性質があります。紺などの濃色の生地では、繊維の表面が毛羽立ち白っぽく見えるようになります。お尻や背中、脇の下など関節部分の擦れやすい箇所に注意しましょう。

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「麻」表示素材はリネン(亜麻)とラミー(苧麻)だけ

夏の素材として爽やかな肌触りで、清涼感のある麻。しかし、衣料品の素材として正式に「麻」と表示できるのは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)だけです。

麻という名の植物はありません

繊維の種類として「麻」と呼ばれているものは、植物の茎や葉の繊維を材料にしたものの総称です。コーヒー豆の袋で知られるジュート(黄麻)、リュウゼツランの仲間のサイザル麻、麻薬で知られる大麻、バナナの仲間のマニラ麻など無数にあります。しかし、繊維製品として「麻」と表示できるものは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)だけなのです。

短繊維の麻はほつれやすい

ざっくりとした感じの素材として使われるジュートなどの「指定外繊維」の麻は、一般に繊維が太くて短いため、毛羽立ちやすく、縫い目がほつれやすくなってしまいます。衣料品には向かないファッション製品だと心得てください。

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